契約の恋愛
6年後

璃雨は、真っ黒の髪をなびかせてデスクの中をあさっていた。

白いワンピースは、あの日雪葉が着せてくれたものによく似ている。

だから、心が少し痛む。

「ん~?な…いなぁ。」

何年かぶりにここに帰ってきた。

懐かしい匂いが漂うこの場所は、少し心が痛む。

「よいっしょ…っと。お…あった。」

璃雨は、デスクの奥から引っ張りだしたまだ封も開けていない、一通の手紙を見つめた。

外は相変わらず暑い。

そっちはどう?

……雪葉…。

あの日、璃雨はあなたを助けてあげられなかった。

自分の傷ばかりに敏感で、周りの人の傷には鈍感だったの。

……最低だよね。

それでも、璃雨は生きてる。
あの日、あなたに大切なことを与えてもらったから。

高二の夏。

本当に色々な事があった。
物語は、少しずつ確信にせまっていく…。

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