契約の恋愛
それに、俺達がどういう過程でここに入ってきたのかは、大体の人間が知っている。

隠し通す事も可能だったが、この女、北宮弥生がその事実をバラしてしまい、俺達兄妹にとってここは居心地の悪い場所になってしまった。

俺達兄弟が抱える真実は、大抵の人間には避けられる。

案の定、真実をバラされた俺達兄弟は、この施設では邪魔者状態だった。

もちろん、施設内でのトラブルも数えきれない程あった。

俺にも…琉衣にも。

でも、あの地獄のような出来事と比べてみるとそんな小さなトラブルなんて、ありのようなものだった。

それでも、人間傷つけられるのを望む人なんていない。

精神的にも、体力的にも耐えられる毎日ではなかった。

それでも、俺達兄妹がこの場所で生きてこられたのは、この施設ではリーダー的存在の恵流のおかげだった。

何故か俺達兄妹に、必要以上に絡んでくる恵流は何かと俺達の世話をやいてくれた。
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