契約の恋愛
恵流でさえも、未だに俺は信じきれていない。

だから、人から冷めた奴だと白い目で見られるのだろうか。

でも…俺にはそんな事どうでもよかった。

自分が他人にどう扱われようが、どう見られようが…俺には関係ない。

ただ一つ…この時の俺の生きる理由は、はっきりと心にあった。

それは…。

唯一の血のつながりを持つ妹の琉衣を、守りぬく事だった。

たった一人で生きていくのには、あまりに酷すぎるこの世界で…琉衣を守れるのは俺しかいなかった。

でも、この時俺は気付いていなかった。

死神の足音が、徐々に近づいてきていた事に。

琉衣が本当に恐れていた事は何だったのか…俺は最後まで気付く事が出来なかった。

俺は、しつこくつきまとう北宮を後ろにつれながら、施設の食堂に足を進めた。
もう、大体の人数はそろっていて皆が食事の準備をしている所だった。
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