契約の恋愛
今は我が親友雪葉様のご機嫌だけを考えるんだ。

雪葉は深刻な表情で腕組みをしている。

「…男性不信なの?」

……はい?今なんと?

深刻な雪葉の表情が一変、今度は心配症の雪葉ママが出てきた。

「だってさぁ、璃雨って可愛くてモテるのに彼氏つくんないじゃん。もしかして前付き合ってた彼氏のストーカーのせいで男性不信になっちゃったとか。」

雪葉は机から身を乗り出して真剣そのもので聞いてくる。

私は少々後ろにそらしながら、首を振った。

「ち…違う違う。そんなんじゃないよ。ただ、好きな人ができないだけで。」

雪葉の勢いに気圧されながら、ようよう伝える。

その言葉を聞いて、雪葉の表情が安堵に変わる。
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