契約の恋愛
「あ…そう。良かったぁ~。」

…こっちも誤解がとけて良かった。

ふう~と息を吐く。

……てか。

紀琉の事って言った方がいいの?

契約のことは別に言う必要もないと思うが…。

どちらにしろ、ばれることにはなるだろうし…。

言わずにばれたらどういう制裁を受けることになるのかは、大体分かる。

う~…む…。

「それにしても良かったぁ。璃雨が男性不信じゃなくて!早く好きな人できるといいねぇ。」

「う…うん。」

「一緒にダブルデートもしたいし。」

うぇ~、どうしよう。
璃雨はもう彼氏いちゃってます!とか言った方がいいの?
紀琉からも口止めされてないし…。

こんなにも、言うことをためらってしまうのは、多分紀琉が普通の彼氏ではないからだろう。

契約上の恋人。

そんなこと雪葉に言えるわけがない。

私が死にたがっていることも知らないのに。
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