契約の恋愛
風にゆれる"あれ"は、私の指先につままれ、悲鳴をあげている…ように聞こえた。

亮也はそのままの表情で指先で、"あれ"をさした。

「これ、なんの跡?よれよれじゃん。」

汚いものを見るような目ですぐに指先を遠ざけた亮也の行為を、とても失礼に感じる。

実際汚いんだけどねっ!!

「……ヨダレの跡だよ。」

私は全てを見放したような目で冷たく亮也を見た。

「……誰の?」

私は更に冷たい目で亮也を見つめる。

言わなきゃ分かんないの?て感じだ。

「……陸飛だよ。」

その名前が出た瞬間、亮也が全てを悟ったような表情を浮かべたのを私は見逃さなかった。

キッと亮也を睨み付ける。
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