契約の恋愛
「あんたが陸飛に教科書貸してればこんな事にならなかったのにっ!!どうしてくれんのさっ!!!」

その言い様は少し陸飛がかわいそうだが。

亮也は面倒くさそうに、机に肘をつきほうずえをついた。

「……だって面倒くさかったんだよ。まさかお前の教科書がそんな姿になるなんて誰も想像できない、むしろ奇跡の証なんじゃないか?」

「綺麗な言葉で片付けようとしないで下さい。亮也くん。」

私はパンッと教科書を閉じる。

「大体、何で俺を責めんだよ。その奇跡の姿を作りだした本人を怒ればいいだろ?」

亮也はやれやれと首を振る。
私は更に冷えきった瞳で彼を睨んだ。

「璃雨になすりつけたのはそっちでしょ~?忘れちゃったの?ばかじゃないの、アホじゃないの。」

いいたい放題の私の言葉に亮也の表情が険しくなっていく。

ヨダレ事件のバトルがヒートアップしようとしていた中、丁度いいタイミングで雪葉ママが現れた。

「璃雨っ。何してんの、教科書なんか持って。早くお昼ご飯食べよ。」

ベランダをタッタッと駆ける雪葉。

おっと、タイムリミットだ。

「分かった。今行く!!カバンにお弁当入ってるから取ってきて!!」

「えっ。お弁当!?~もうしょうがないなぁ。」

頼まれたら断れないタイプの雪葉は渋々、反転して教室に戻っていった。
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