契約の恋愛
それに…。

どうしてそんな契約うけたの、と言われたら私は多分答えられない。

死ぬ前のアクションだと言ったら、彼女は卒倒してしまう。

そんな気がした。

"死"という世界は彼女にとっては無縁だから、彼女の世界を汚したくなかった。
それが、璃雨なりの精一杯の優しさだった。

何も知らないという苦しさと歯がゆさを誰よりも知っていたくせに。

私は彼女に自分のことを何一つ話していなかった。

それが、優しさだと思ったから。
< 65 / 236 >

この作品をシェア

pagetop