契約の恋愛
何も無くなったあいつを、心事守りぬくと。
俺は"あの人"に誓った。
どんな時もそばにいる、と。
それが"あの人"の願いで一生分の夢だったんだ。
璃雨、お前は知らないだろうけど。
「約束で、自分のしたい事も棒にふるわけ?」
何も知らない陸飛だが、どこか確信をついた口調だった。
「…いいんだよ。俺は。」
そう、俺はいいんだ。
俺は別に死にたいなんて思う程、現実に汚されてはいない。
そこまで、何かを失った事もない。
ただ…影のように生きてきた分、璃雨の弱さが分かる。
俺は、"あの人"と璃雨に救われた。
救われたから、何もかもを手放すことになっても我慢できる。
耳をふさげば、嫌いな音も聞こえてこないし…。
瞳を閉じれば、見たくないものも見ずにすむ。
そんな単純な事で、つらいことは乗り切ってきた。
「俺は亮也が心配だよ。亮也は、クールだけどどこかが異常に真っ直ぐだ。
亮也が壊れてしまうんじゃないかって、思う。」
陸飛がフェンスにもたれてうつむいた。
涼しい風が、陸飛の地毛の茶色い髪をゆらす。
俺は"あの人"に誓った。
どんな時もそばにいる、と。
それが"あの人"の願いで一生分の夢だったんだ。
璃雨、お前は知らないだろうけど。
「約束で、自分のしたい事も棒にふるわけ?」
何も知らない陸飛だが、どこか確信をついた口調だった。
「…いいんだよ。俺は。」
そう、俺はいいんだ。
俺は別に死にたいなんて思う程、現実に汚されてはいない。
そこまで、何かを失った事もない。
ただ…影のように生きてきた分、璃雨の弱さが分かる。
俺は、"あの人"と璃雨に救われた。
救われたから、何もかもを手放すことになっても我慢できる。
耳をふさげば、嫌いな音も聞こえてこないし…。
瞳を閉じれば、見たくないものも見ずにすむ。
そんな単純な事で、つらいことは乗り切ってきた。
「俺は亮也が心配だよ。亮也は、クールだけどどこかが異常に真っ直ぐだ。
亮也が壊れてしまうんじゃないかって、思う。」
陸飛がフェンスにもたれてうつむいた。
涼しい風が、陸飛の地毛の茶色い髪をゆらす。