ずっと抱いてて
る。


 彼女の分身を来夏、ボクはある場所で撒くつもりでいた。
 

 それは二人で一緒に見にいった夏のビーチだ。

 
 散骨するに申し分のない場所で、それがボクと愛海の事実上のお別れとなる。


 悔いを残さないようにしたかった。


 ボクたちが過ごしてきた二年間は決してウソじゃないんだと自分で自分に言い聞かせながら……。



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