ずっと抱いてて
第4章
    4
 ボクが愛海の体を引き寄せ、柔らかい体を愛撫すると、彼女が、


「あ、あーん……」


 と吐息を漏らす。


 愛海は感じているのだ。


 性的に満たされたいと願ったことがきっかけで、ボクは彼女の下半身に頻りに愛撫を繰り出す。


 何度も何度も、まるで焦(じ)らしでもするかのように……。


 そして互いに熱い吐息が漏れ出る。


 ボクは愛海を抱きながら、同時に自分たちがさっきまでいた砂浜の砂の熱さを思った。


 そう、丸一日初夏の太陽に焼かれれば砂も熱くなってしまう。


 焼けた砂の余韻のようなものをボクも愛海も味わい続けた。


 彼女は愛海という名前の通り、海をこよなく愛しているらしい。


 実は愛海の故郷は東北の太平洋側の海辺の町で、彼女は小さい頃から海を見慣れている
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