ずっと抱いてて
 外の夜気は涼しい。


 まるで季節が夏であることを感じさせないように……。


 ボクたちが寝入ったのは実に真夜中だった。


 DJとゲストタレントの交わす軽快なトークを最後まで聞かないまま……。


 波音が絶えず聞こえ続けているのだけが、朝方一度目が覚めたボクにも辛うじて分かった。


 隣を見ると、愛海はスースーという寝息を立てて眠ったままだ。


 至福のときが訪れていた。


 二人で一緒にいられることに大いに感謝しながら……。
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