ずっと抱いてて
第１３章
　　　　　１３
　ボクたちはしばらくの間、愛海の部屋の中にあるベッドで眠っていた。
　

　スースーという彼女の寝息が聞こえてくる。


　それはとても静かで、聞いていてなぜかしら嬉しさや愛おしさが込み上げてくるものだった。


　同時に彼女の心臓部にそっと耳を寄せると、ドクドクドクという鼓動が聞こえてきている。


　ボクはそれを聞くにつれ、自分の中に宿っている優しい気持ちに気付いた。


　そう、それは愛する者を守り抜きたいという感情だ。


　とてもストレートで誰にも惑わされないし、惑わされたくないと願う心の内が見えそうで、ボクは一瞬その自分の気持ちを押し隠すため、ベッドから部屋南側にある窓を見つめる。


　太陽光線が絶えず差し込み、一日は速いペースで過ぎ去っていく。


　愛海の鼓動が高鳴るにつれ、自分の鼓動も徐々に高鳴っていった。
　

　ボクは思わず自分の心臓を押さえてみる。

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