Secret Prince
「…………っ、ぁ……。」


俺の、やけに高い嬌声に、風呂場は、一瞬にして静まり返った。
皆が皆、様々な表情で、此方を凝視していた。
この空気、…………勘弁してくれよ……。
いや、だって、……本気で鳥肌立つかと思った……。


















「そんなに見たら、……藍斗が困ってるじゃん。
 …………あー、もう、そんな、気まずそうにしない!」


そう言って、雅先輩は、手をパンパンと叩いた。
途端、皆、我に返ったように、嫌にぎこちない動きだったが、
……何というか、時間が再び動き出したような気がした。

























再び賑やかになった風呂場で、俺は、ポツリと呟いた。








「……凄いですね。」



小声で呟いたはずなのに、傍にいた雅先輩には、しっかりと聞こえていたようで。







「僕、そんな、リーダー気質みたいなものはないんだけどね。
 廉みたいに生徒会長でもないし、凪みたいに、
 ……アイツは、あんな感じだけど、いくつもの運動部を一人で纏め上げているから。
 実力と共に、空気ってのも伴ってるんだろうね。
 まぁ、僕もよく、独特な雰囲気を持っているって言われるけど。」


「そうなんですか。
 雨宮先輩は、…………謎の多い人ですよね。
 凪は、パッと見では爽やかそうな感じだったけど、腹は黒そうですね。
 それに比べたら、雅先輩は、堂々と自分を持っていて凄いと思います。」
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