Secret Prince
「……んー、そんなものなのかな……。
 でも、藍斗も、素敵だと思うよ?
 自覚あるかは分かんないけど。」


「…………どうして、そう思ったんですか?」





恋愛感情とかはない、……と信じたいけど、いや、それは、雅先輩だから、
心配なんかしてないんだけど、どうして俺に惹かれたのかっていうのは、
正直な話、結構興味があった。
雅先輩は、良い意味か悪い意味か、他人に興味がないって言ったら、
きっとそれは嘘になるんだろうけど、とりあえず、俺の直感だけど、
……何ていうか、自分の世界を持っている人だから。
それに、愛想笑いを浮かべる人でもなければ、お世辞を言う人でもない。
そりゃ、周りに合わせる時は、勿論あるんだろうけど、……それは、
この先輩の素顔じゃない、……そう思ったから。























「奥が深いんだよ、藍斗は。
 一見すると八方美人に見えるけど、ちゃんと反応も使い分けてるし、
 相手の本質を見抜くのも得意そう。
 でも、鋭さとか使い分けが出来るとか、それだけじゃない。
 そうだね、……それが、経験から見出されたものだとしたら?
 君は、おそらく、何かしらの、人には言えない過去を背負っているんじゃない?」






「…………!」



声にならない声も上がらないほど、雅先輩の言う事は正しかった。
相手の本質、欲深さだとか誠実さだとか、そういうのを見抜けるのは、
それだけ場数を踏んでるからで。
そういうのが分かるから、見たくないような、人間らしい醜悪な欲なんかを、
露骨に見せつけるような事をされたら、職業柄とか、そんなの通り越して、
八方美人な態度を崩す時だってある。
さりげない問いかけだが、やんわりとした口調だが、本当に、俺の心を見透かしていた。
俺は、内心、かなり焦った。
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