Secret Prince
俺の中にある、醜い意識を、思いっきり鈍器で殴られたような、
そんな感覚に襲われた。













羨望、嫉妬。
好奇、同情。
憐憫、愛憎。
俺は、そんな視線の中で生きてきた。
忌まわしい過去を背負って、自らの容姿が原因で、……それこそ、疲れる、という
感情も消え失せてしまうくらいに……。
そして、いつしか、感情を、自分の色を失い、ただ、一日一日を過ごすだけの、
退屈な日々が続いていた。

























こんな風に、ありのままの自分を曝け出す事が出来る人がいるんだ。
衝撃と、ほんのちょっぴりの羨望。
今まで知らなかったものを見たような、新鮮な驚き。
哀しげなその表情が、射抜くようなその瞳が、
どこか儚さを湛えていて。
触れたら壊れてしまいそうなほど、脆くて、……そして、繊細。
でも、それに、愛しさを覚えずにはいられない。
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