盲目の天使
リリティスが、カルレインと小さな幸せを感じていたちょうど同じ頃、
プロン王にべったりと寄り添い、お酒を注いでいる女がいた。
年の割には、シワのない美しい顔立ちで、豊かな胸を強調するような衣をまとっていた。
「ノルバス王プロン様、私たちのかわいい息子も、今年で18になります。
そろそろ正式にお世継ぎとして、皆に披露してはいかがですか?」
「そうか、アルシオンも今年で18か。ちょうどお前が輿入れした年だな」
「そうでございますわ。もう立派な大人です。
至らないところは、ロキ大臣にでも補佐していただいて、何かのお役目につけられてはどうかと」
注がれた酒に口を付けながら、プロンは、またその話しか、とため息をついた。