盲目の天使
雲ひとつない、快晴。
昼になり、リリティスは昨日約束した通り、庭園でアルシオンと昼食を取っていた。
ルシルは、お茶の準備をするために、席をはずしている。
オルメは、昨夜、カルレインたちの出立の準備のために、一睡もしていないらしく、
リリティスが無理やり、休みを取らせた。
「その時、私は木から落ちてしまって・・・、リリティス?」
リリティス、ともう一度名前を呼ばれて、リリティスははっと我に返った。
「あ、すみません。アルシオン様。ぼぉっとしてしまって。
えぇと、木の実を取ろうとしたんでしたわね」
リリティスは、ぎこちない微笑を見せる。
「・・・浮かない顔ですね。リリティス」
「・・・・」
「何か気になることでもあるのですか?」
自分に出来ることなら、なんでもしてあげたい。
アルシオンは、リリティスを抱きしめたい衝動に駆られながらも、
すんでで、なんとか思いとどまった。