盲目の天使
「そういえば、オルメはどうしたの?」
着替えを済ませて朝ごはんを食べながら、
リリティスは、オルメがいないことに気づいた。
「オルメ様は、カルレイン様の見送りで、城門まで行ってらっしゃたのです。
さっき、おもどりになられたので、まもなく来られると思いますよ」
ルシルは、手早く食事の準備をしながら、返事をする。
「カルレイン様はお出かけになったの?」
できれば、なるべく早くに会いたいのだが、出かけたなら、帰りを待つしかなさそうだ。
「はい。なんでも、鉱山で落盤があって、死傷者が出たとかで、
その救援に、軍を率いて行かれたそうでございます」
「まぁ!!」
リリティスは食事の手を止めて、柳眉をひそめた。