盲目の天使
カルレインは、自分の命令にリリティスが傷ついたのだと、深く後悔した。
「わかった。命令は取り消す。部屋から自由に出てよい。
誰にでも・・・好きなように、会ってかまわない」
アルシオンの言うとおりだ。
俺は、リリティスを物扱いして傷つけてしまった・・・。
命令さえ撤回すれば、リリティスは、アルシオンと会って元気を取り戻すだろう。
それは、カルレインにとっては、ひどく寂しいことであったが、
リリティスが苦しむことに比べれば、何倍もましに違いなかった。
てっきり、喜ぶだろうと思ったルシルは、そのまま部屋から出て行こうとしない。
「命令を撤回しただけでは、だめです」
いつもは、のほほんとしているルシルが、珍しく強い口調で言ったので、
カルレインは、顔を上げて、彼女を見つめた。
こんなにも、堂々と意見を述べるような娘だったろうか。
いかにも、流されて生きているような、そんな印象しかない。
それとも、リリティスの陰に隠れて、意識していなかったから、気づかなかっただけなのか。