盲目の天使

カルレインが、はっとしたように顔を上げると、

ルシルは膝をおって、カルレインに頭を下げた。


「アルシオン様と二人きりにしてしまったのは、私の不注意でした。

申し訳ございません」


それは、ルシルが、やってしまった失態だった。

先に席をはずしたオルメに、そこにいるよう指示されていたのに、

お茶のおかわりがほしいと、アルシオンに催促され、席をはずしてしまったのだった。


ですが、とルシルは、さらに力を込める。


「お二人は、決してカルレイン様の思うような関係ではございません。

私をお疑いなら、オルメ様や他の侍女、オークリーにお尋ねください」


ルシルは涙を拭きながら、失礼いたしましたと言って、部屋を後にした。

マーズレンに、抱きかかえられるように連れられて。




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