盲目の天使
リリティスは、身じろぎもせず、体を硬くした。
「リリティス・・・」
低くてよくとおる声が、やさしくリリティスの髪を撫でる。
夢でもいい、
リリティスはそう思って、声の主に抱きついた。
「カルレイン様!!」
カルレインの胸に顔をうずめたまま、リリティスは狂ったように泣き出した。
「カルレイン様!カルレイン様!・・・」
しばらく泣き続けたあと、カルレインの心臓の音を聞きながら、
リリティスは安心したように、安らかな寝息を立てた。
天上にかかる月は、何も言わず、ただ一つに重なった影を照らすのみ。