盲目の天使

朝日が昇るころ、

リリティスは、両手を胸の前で組み、

必死に祈り始めた。



・・どうか、カルレイン様に、会わせてください。



寝食も忘れ、ただひたすらに祈った。


やがて、太陽が地の果てへ沈み、空の主役が月へと交代しても、

リリティスは、祈る事をやめなかった。


どのくらい、そうしていたのか。


突然、翼が、空を切る音が聞こえてきた。



・・・まさか、天使様?



リリティスは、自分の願いが通じたのかと、驚いて窓際に駆け寄った。












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