盲目の天使

翼の主は、鉄格子のはまった窓で、とまると、

クルゥ、ピィピィ。

と、小鳥のような鳴き声で、かわいらしくさえずった。



え?

この泣き声。

もしや、ジル?



それは、カルレインが飼っている、鷲のジルだった。


普段、狩りに使っているジルは、体の大きさと凶暴さににつかわしくない、

小鳥のようなかわいらしい声を、している。


その落差がおもしろくて、リリティスはジルのさえずりが、大好きだった。


「ジル?

お前、ひょっとして・・・」


ジルは頭が良く、足に手紙をくくりつけると、

それをきちんと目的地まで運ぶことができる。


リリティスは急いで、格子の隙間から手を伸ばした。



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