盲目の天使

はやる心と格闘しながら、リリティスはなんとか手探りで、髪飾りを布に包んだ。


窓の格子から、ゆっくりと手を差し出す。


「ジル。

これを、カルレイン様に届けてくれる?」


リリティスが、そう言い終わった時、

ガチャガチャと、牢の扉が開く音がした。



いけない、誰か来たわ。



夢中になりすぎて、階段を上がってくる足音に、まったく気づいていなかった。


リリティスは、急いで髪飾りを寝台の下にしまうと、

自分も、毛布をかぶって横になり、寝たふりをする。


規則正しい、足音。


その音は、目的を持っているのか、

迷うことなく、リリティスの寝台の前までやってきた。



お願い。どうかジルに気づかないで!



リリティスは、指輪と共に、胸の中にしまった花を握り締めて、震えた。









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