盲目の天使

プロンは、リリティスに夢中で、少しも気づかなかったが、

牢の外には、機をさぐっている、ひとりの女の姿があった。



ふふふ。やはり私の思ったとおり、王は、ここへやってきた。



アルシオンが、跡継ぎと認められた以上、

ソレイユにとって、王は邪魔な存在でしかなかった。


リリティスを側室に迎えれば、いつ王子が誕生するかもしれない。

そうなれば、いつまたプロンの気が変わり、

自分たちを、ないがしろにしないとも限らない。



・・愛していると、思った時期も、あったけれど。



ソレイユは、自分の掌に握られた短剣に、ちらっと目をやった。

ほんの刹那、ソレイユの瞳が、哀しげに揺らめいたような気がしたが・・・。


すぐに、野心に満ちた、妖しい輝きに変わる。


ソレイユは、王がリリティスに会いに来るのを、物陰で待ち続けた甲斐があったと、鼻で笑った。



王が油断したところを刺して、王女に罪を擦り付ければいい。



邪魔な存在が、もうすぐ消えていくと考えただけで、

ソレイユは、興奮を抑え切れなかった。




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