盲目の天使
しんと静まり返った塔の中では、リリティスの悲鳴だけが、こだましていた。
「嫌ですっ!!
おやめくださいっ!」
リリティスは、叫びながら、侍女を呼ぶための呼び鈴に、手をかけた。
鈴は、大きな音をたてて、チリンチリンと鳴り響く。
これで助かるだろうと思ったが、しばらくしても、誰も現れない。
「侍女なら来ないぞ。
ついでに言えば、今日は牢を見張っている兵士も、さがらせてある。
朝まで、二人きりだ」
用意周到なプロンの言葉に、リリティスは、背筋が凍る思いだった。
もう、だめなのか。
一方、王の言葉に、ソレイユは、にんまりと笑った。
なんて、ついてるのだろう。
誰もいないなら、自分が疑われることもない。
ソレイユは、気づかれないように身をかがめて、ゆっくりとベッドに忍び寄った。