盲目の天使
「そうよ。
きっと、私を犯人に仕立て上げるつもりだったのよ!」
ソレイユは、必死に訴えた。
王妃は、嘘をついているな・・・。
カルレイン様が、そんなことをした様子はない。
コウガイは、王命でカルレインを見張っていた自分が、
それに、気づかないはずはないと思った。
カルレインが、反旗を翻すのではないかと、恐れていたプロン王は、
密かに命じて、彼の行動をコウガイ将軍に見はらせていたのだ。
ここ数日は、カルレインが連絡を取ったものも、すべて洗い出してある。
その者たちにも、見張りが付けられていた。
・・王妃に、連絡など、ありえんな。
こんなに早く、この塔へ来れたのも、
実は、大慌てで鷹小屋へと走り去るカルレインたちを、
近くで、見ていたからだった。