盲目の天使

カルレインの現在の立場を考えると、王を殺害したとしても、ありえない話ではない。

コウガイは、慎重に、カルレインを見た。


必死に、リリティスに呼びかけている、その様子は、演技とは思えない。

第一、リリティスがあおった毒は、どうやって手に入れたのか。


王がこんなところにいることだって、解せる話ではない。


「何をしているのです!

早く、カルレインを捕らえなさい!!」


ソレイユは、コウガイの様子に、痺れを切らして怒鳴りつける。


「ソレイユ様。あなたはどうして、こんなところに?」


コウガイは、じろりと、ソレイユを見やった。


実戦経験をつんだ、勇猛果敢なコウガイの鋭い眼光に、さすがのソレイユも、たじろいだ。


「わ、私は、カルレインに呼び出されてここに」


「呼び出された?」


コウガイの目が、ギラリと光る。






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