盲目の天使
あれだけ騒いでいたにもかかわらず、
カルレインは、リリティスの寝台の前まで来ると、ぴたりと動きを止めた。
「リリティス・・・」
カルレインの見つめる先には、寝台に横になった、少しやつれたリリティスと・・。
「・・・これが・・・俺の子、か?」
「跡継ぎが産めず、申し訳ございません」
リリティスは、疲れた顔で微笑んだ。
「馬鹿な!何を言っている!
こんな・・、
こんな素晴らしい・・子を・・」
カルレインは、産まれたばかりの赤子に、震える手を近づける。
と、
その黒い瞳から、滝のように、涙が溢れ出た。