盲目の天使
リリティス様も素敵だけど、カルレイン様もすばらしく素敵ね!
カルレインの正装を見て、ルシルは、感嘆のため息を漏らす。
旅の時の略装と違い、王への謁見のために、正装をしているカルレインは、豪華な黒い衣装に身を包んでいた。
衣の前面には、見事な金の縫い取りがしてあって、上品な輝きを放っている。
一方のリリティスは、これも見事な蒼い衣装に身を包み、その衣の裾を覆うように、銀の縫い取りがほどこされていた。
髪も複雑に編みこまれ、いくつもの髪飾りが添えられている。
「上出来だ。行こう」
リリティスの装いに一目で満足したカルレインは、その手をやさしく包むと、大広間へと連れ出した。