Bitter
* * * *




『ねーレイ聞いてっ!先週亮太くんと遊びにいったんだーっ。』


昼休み、どこから出しているのか不思議になるくらい可愛い声でユリが言った。


『そう、よかったじゃん。』



笑顔を作ろうとしたが、一ヵ月一人でいて表情筋が麻痺したのか、なかなかうまくいかない。




もっと何か聞いてほしそうな、また試すような目でユリが見てくるので、私はありきたりな質問をいくつか並べた。




『どうやって誘ったの?』



正直どうでもいいんだけど。




『えっとね、メールでお兄ちゃんの誕生日プレゼント選んでって言ったのーっ。お兄ちゃんなんていないけどねっえへへ。』


隣で亜子達がいつものように『かわいーユリーっ』とつっつく。



『吉祥寺とかいろいろ行ってー、ごはんも食べて超ー楽しかったぁっ。』


『へー‥。』


本気でくだらない‥。

好きにしたらいいじゃないか。
もうこの子達に様子探られ続けるのも疲れた。



思うに、もう、私はこの子達から距離をおかれてるのは明らかであって、そこはもうどうしようもないんだろうけど、
ユリの恋さえうまくいってくれればこれ以上関係は悪くならない気がする。


うまくいけば、の話だけど‥。




正直、亮太の気持ちはユリに向かってる気がしない。
昔から一緒だもん、そのくらいはわかる。



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