Bitter
亮太の話以外では、もはや私に発言権はなくなっていた。
3人プラス1。この形が定着したように、一番後ろで三人の話を聞いている。
私が笑ってても泣いていても、きっと何も気付かれないし、気付いても何もかわらないだろう。
何か話し掛けても、ぎこちないあいづちが1つ2つあうかどうか程度だった。
これが『安定』と呼べる状態だろうか。
少し離れたところで、ぼろぼろの教科書をどこからかとりに行ってきたカナが、こっちを見つめている。
その前を、体育のために更衣室へ向かおうと四人で通り過ぎる。
お互いの目には、『羨ましい』と『そうはなりたくない』という二つの感情が浮かんでいた。