Bitter
* * * * *
授業中、私の頭の中は彼女らの不気味な笑い顔、声でいっぱいだった。
遠くから亮太が心配そうな視線を送ってくる。
1ミリの余裕もなくした私は、
今さらそうした事で何も変わりやしないのに、
見ないで
来ないで
関わらないで!
というように、にらみ返した。
教科書の一点を見つめてもんもんと考えていると、急に胃から何か込み上げてきたので口を押さえて教室を飛び出した。
トイレに駆け込む。
昨晩から何も口にしていなかったので、出てきたのは胃液ばかりだった。
『ぜー‥‥ぜー‥‥』
自分のそれを見て、涙がにじんだ。
化粧が崩れ、口を汚し、廃人のような目をした自分を、心底惨めだと思った。
口をゆすいで周りを見渡すと、授業中なので当たり前だが、トイレにはレイ以外誰もいない。
胸をなでおろす。
はっと、そんな自分に気付いて嫌気がさす。
『‥は、ほっとしてるよ。‥はは。』
ここが新しい居場所とか思ってるし。
馬鹿じゃないの?
何びびってんの、
まだ
あんなプリクラもらっただけじゃん‥
徐々に笑いが消え、鏡を叩いた。
一筋のヒビさえ入らなかったから、力は全然入っていなかったようだ。
よたつきながら廊下に出ると、
教室の中で教える先生の声が廊下に響いている。
一歩近づくが、また息があがり変な汗がにじんでくる。
次の瞬間、何かに追われるように屋上に走りだした。
この時間ならまだあいつはいない。
会いさえしなければ、あの日の決意を破ることにはならないはずだ。