キテレポ 08-09
No.11

根室広重(30)ネムロヒロシゲ

ハイパーマゾヒスト。
趣味はマラソンと山登り。この時点で彼のM度が窺えよう。
度重なる苦痛を耐え忍び、耐え忍び、耐え忍び、限界を超えてもなお堪え忍ぶ。これが彼の基本理念である。電車内で空席を見つけても絶対に座らない。たとえ座ったとしても、必ず尻と椅子の間に数ミリの隙間を作る。夏場、喉がカラッカラになっても水を飲まない。たとえ飲んだとしても、あえて塩水をチョイスする。風邪をひいた時こそ風呂に入る。湯冷め目的で入る。たとえそれが原因で高熱に侵されようと構わない。むしろ本望である。『おかされる』という概念が好きなのだ。
現在、お抱えの女王様は5人。デブとノッポとババアとデブとババアで構成されている。5人の共通点は極めて顔が四角いこと。つまるところ、不細工である。彼自身、特に不細工が好きというわけではない。老いた不細工に罵られ、肥えた不細工にいたぶられ、あらゆる屈辱的行為に耐え、悶えつつ果てる。そんな惨めな三十路の姿をただただ見ている不細工。ノッポ。(ノッポの立ち位置はあくまでも傍観者) この図式が好きなのだ。この構図がたまらないのだ。言わずもがな、ケツはユルッユルである。ユッスー・ンドゥールである。(すまない。ユッスーは最高だ。)


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