オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
師走の風は冷たくて、体は寒がっているはずなのに。
なぜか、篁くんが触れたところから暖かくなっていく。
そこだけ痺れるように熱いような、そんな錯覚を覚えてしまう。
そうして思い出してしまいそう。
……篁くんを好きだった、あのころの自分を。
「――って、きばって来たんはええねんけど当の絢はなぜか斎と付き合うとる言うし!! なんやねん!!」
「あ゛ー!!」なんてオーバーリアクションとりながら篁くんがあたしから手を離した。
あたしはハッと我に返って、篁くんに負けないぐらいおおげさに首を横にふる。
自分の頭に蘇った記憶を消すみたいに。
「え、と……ごめんなさい」
「え、なんや謝れるとほんまにフラれたみたいやからやめてや」
「フラれてんのは事実だろうが」
「彼氏の余裕うっざ!! うっざっ!!」
声を張り上げて藤岡くんに抗議する篁くんを、当の藤岡くんは適当にあしらう。
すると、篁くんはいじけたみたいに体育ずわりでおにぎりの残りを食べはじめた。
それはもう、目に見えるくらいの黒いオーラを漂わせながら。