オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「後ろからいきなし頭にバット叩きつけられてもーたからなー。ヒドいケガで、そいつらいなくなっても動けへんし」
笑いながら、でも、無意識に頭に手を置いてる。
ああ、痛かったんだろうな。なんて想像すらできない痛みを頭のなかで言葉にしてみたりした。
「そんなカンジで地べたに汚く寝転がっとった時に助けてくれたんが、あのヒトでな」
「……あのひと?」
おん、と篁くんはうなずく。
“そのひと”を誇るみたいに、力強く。
「朝比奈 蔦さん……俺の恩人や」
そして、話し始めてから初めて、あたしのほうを見た。