遠くから来た男の子
土が掘られ、大きなひつぎが引き上げられました。皆が見守るなか、ふたがゆっくりと開らかれると、誰もが目をうたがいました。そこには生前と少しも変わらない姿のままの大男が横たわっていました。今にも男の子に微笑みかけてきそうです。

「おお、何と言うことだ。まるで生きているようだ」と、驚きの声をあげるもの、「かわいそうに、知らぬ土地でこんな扱いを受けて、さぞ心残りだったろう」と、哀れむもの。

「わしらはおのれの恐怖を追い払うために、大男を傷つける道を選んでしまった」と、うめくものもいました。

そして、それぞれが本当に悪かったと謝りました
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