恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「え?あの時?…あのね、『山田とやりづらくなかった?』って…。ごめん、どうでもいいことなのにこんなことになっちゃって。」
山田くんと…。
確かに、やりづらかったけど(笑)。
でも、山田くんにも闇がある。
それだけは確かに分かったことで。
それが何なのかまでは、分からなかったけど。
「ううん。でも川崎さん、すごいよね。山田くんとちゃんと話せるんだもん。」
川崎さんがいないことで気付いたこと。
川崎さんは渡先生組の1年の中でいいムードメーカーになってたこと。
私と山田くんをつなぐには、川崎さんの力が必要だということ。
気付いた途端、川崎さんがうらやましかった。
愛とのこともそうだけど、川崎さんは性格の違いとか関係なく、誰にでも話しかけられる人。
こんな人、なかなかいないよね。
川崎さんがいなかったら、水泳部1年、どうなってたんだろ…?
「うーん。私も試行錯誤だけどね。山田みたいな何考えてるか分からないタイプ、あまり相手にしたことないし。」
川崎さんは少し考えながら、そう返事してくれた。