君への願い事
そしてその日の放課後。
ホームルームが終わってしばらく経つが
1-Aクラスの教室には
とくに何をしているわけでわないが結構生徒が残おり友達通しで会話を楽しんで
いる。
その中には芽依や瞬やその友達に、
今日は一日中寝続けていた利枝もいる。
芽依に関しては瞬がいるから自分もちゃっかり残っている、といった感が否めな
い。

「瞬、今日も部活行かねーの?」

瞬の男友達の佐藤が瞬に話し掛けた。

「行かねーじゃねぇよ。行けねーんだよ。」
「何で、松葉杖使わなくなったし、包帯も外してるじゃん。」
「まぁ治りかけだからな。ほれ、そのかわりクセー湿布貼ってんの。」

瞬が制服のズボンの裾を上げ右のフトモモに貼った湿布を友達に見せた。

(きゃっ!瞬君の生足!)

芽依は自分の席から食い入るように瞬の脚を見た。

「まだ肉離れ治れへんの?山田がおれへんかったらサッカー部の連中も大変やろ
なぁ。ボール集め要員がいないから。」
「バーカ!エースがそんなことするか。」
「嘘つけっ!山田がエースやなんて聞いたことないわ!」
「まっ、やっと歩く分には問題ないくらい治ってきたけどな。」

憧れの瞬と楽しそうに話す利枝に芽依はムッとしながらもなんとか自分も話そう
と頑張った。。

「山田君。たっ、大変だね…。」
「ん?あぁ、まぁな。」

(いや~ん会話が続かない~!)

再び佐藤が瞬に話し掛けた

「じゃあさ、部活行かねぇんなら渋谷行こうぜ。」
「ん~。いいぜ。」
「堂本達も行かね?」

佐藤は芽依と利枝も誘ってきた。

(えっ!マジ!?瞬君と遊びに行くの初めてだ!やったー!!!)
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