王様監禁ゲーム。
2コールぐらいで喜一君が出た。
「あ、喜一君?ごめんね、今まで――」
『んだよ』
え?
遮られて言われた言葉は、いつもの喜一君からのものじゃなかった。
『昨日、命令したじゃん。毎日会うって』
あれ、本当だったの?
ってきり、嘘だって。
『命令、聞けないの?』
あたしは呆然としていた。
あたしが今喋ってる人は、喜一君?
『凛!?』
急に大きな声で名前を呼ばれ、はっとする。
「ご、ごめんね。今まで講義で、それで……好きだから、嫌いにならないで」
しばらくの沈黙。
嫌われるのは嫌。
大切な人なんだから……離れたくない。
『なら、許す!』
いつもの喜一君の優しい声。
あたしは安堵のため息をついた。