王様監禁ゲーム。

大量の血が出ている感覚が肌で感じる。


頭がくらくらする。

思考回路も、徐々に停止していく。


かすみゆく記憶の中、あたしはいつの間にか気絶していた。




「凛……凛……」


薄く目を開けると、喜一君の顔が視界に入ってきた。

腕には白い包帯が巻かれている。


あぁ、死んだんじゃないのか。


ほっとすると同時に、この先のことを想像する。



死んだほうがマシだった。


“死”より苦痛なことが、まだ続くより、死んだほうがよかった。



ふと机に視線を移すと、ガラスとコップに赤い液体が入っている。


「これね、凛の血」


目を細めて笑う彼が、人間とは思えなかった。

いや、思いたくなかった。


「今から飲もうと思ってて」


飲むならあたしが気絶しているときに飲んでほしかった。

飲む姿なんて見たくない。


目をつむろうとしたら、

「一つになるとこ、見てて」


冗談じゃない。

< 65 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop