王様監禁ゲーム。
復讐のために、あたしに近付いたの……??
「それで、裏で色々手回して凛とその彼氏が別れるとこまでいったのに、凛傷つくんだもん……マジムカつく」
笑いながら言う杏が、怖かった。
友達だと思ってて、いつも一緒に笑ってた人が、目の前で不気味に笑ってる。
「だから、合コンをして、喜一君や高三重君にも協力してもらって……」
今に至る……
「そんな……」
あたしは、何も……何も……
「自分は何もしてないのにって顔だね。はぁ……ほんとうざいわ」
杏があたしへと近付く。
怖くてその場から動けない。
「あんたさえいなければ、今頃幸せに暮らしてたのに」
髪の毛をグイッと掴まれ、冷めた目で杏が言った。
ブチブチと、何本か髪の毛が抜ける感覚がした。
杏が手を離したとき、パラパラと髪の毛が落ちる。
「喜一君、あとはよろしくね」
あたしを見ながら、杏は後にいる喜一君に言った。