僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「もうっ! 部屋決めた?」
「……空き部屋見てもいい?」
「もちろん。あたしの部屋はね、あそこ」
リビングを中心に、左右に部屋が2つずつある。あたしの部屋は右のバルコニー側。
「大体6畳だから、バルコニーついてるか、ついてないかぐらいの違いなんだけどね」
悩む彗をおいて、飲み物を淹れにキッチンへ向かいながら説明する。
「こっちにする」という声に振り向く。彗は左側の部屋を指していた。
……立ち位置が微妙すぎて、どっちがいいのか分からないんですけど?
「どっちよ。バルコニーついてないほう?」
「うん。なくていい」
「だと思った」
「……何が?」
「なんでもない」
あたしだったら絶対バルコニーがついてるほうを選ぶ。特別必要だと思わないけど、ついてたほうがなんか豪華だからって理由。
そういう中途半端な欲が、彗にはないんだろうなって思う。
「ね、天気いいし買い物行こうよっ」
「……なんで?」
なんでってひどいな!