僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「待っ……えっ、嘘っ! 8時!?」
なんで学校に間に合う時間だと思い込んでたんだろう……!
時計が示す時刻は朝の8時を過ぎていて、一気に眠気が吹っ飛んでしまった。
「あーあ……やらかしたね」
立ち上がり、毛布を畳んでいた凪は苦笑するだけ。彗も祠稀も特別焦った様子はなくて、逆にもっとあたしの焦りが煽られてしまう。
いいの!? 遅刻だけど、遅刻ってもっと焦るものじゃないのかな!?
「……ふっ……有須すごいテンパッてる」
いまだに毛布に包まっている彗に笑われてしまって、頬に熱が集まるのが分かった。
「もう遅刻でいいべ。俺もうひと眠りしてから行くわ」
「はいダメー! そんなのはあたしが許しませーんっ」
眠りに入ろうとした祠稀から、凪がバサッと毛布を取り上げる。その瞬間思い切りしかめっ面になった祠稀を怖いと思ったけど、凪は全く気にも留めなかった。
「ほら、彗も起きなさい! 今日も元気に学校行くよっ!」
……凪ってすごいなぁ。ほんとにお母さんみたい……なんて言ったら、怒られちゃうだろうな。