僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


明日も部活に来い、か……。


志帆先輩の、不気味な笑顔が頭の隅でチラついた。それから冷たい冷たい、残酷な言葉。


『かわいがってあげるからさ』


それはどう考えても、いじめの始まりの言葉に思えた。ひとつの悪意が、伝染し始める合図。



もう分かっていた。きっと明日には、2年生全員があたしを嫌ってる。そしてそのうち、1年生にも広がる。


……あたしはどこに行っても、いじめられる運命なのかな。


凪たちと同じクラスでよかった。部活の時間だけ、我慢すればいい。


ひどくなったら、凪たちに相談すればいい……それは、最後の手段……。


見上げた空は、どんよりと曇っていた。


今にも雨が降りそうな、夜のこと。



地獄の日々が、始まる。



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