僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


「凪おっせー!」

「はぁ……つ、疲れた……」


言い出しっぺのあたしが、まさかのビリだなんて……あんまりだよね、コレ。


「は、はぁ……疲れたぁ」

「……久々に走った」

「ふ! サッカー部なめんな!」


正式メンバーじゃないくせに……。


「「「「……」」」」


駅内でゼーハーと乱れる息を整えるあたしたちに向けられる、周りの視線が痛い。


「ゆ、遊園地行く前に疲れて……何やってんだろうね、あたしたち」

「誰のせいだよっ」

「……凪、のせい」

「でっ、でも、のったのは……みんなだし…」


肩で息をするあたしたちは、それぞれの顔を見て吹き出した。


「ふ……あはは! うちらバカみたいだねっ!」

「笑わせんなっ」

「あはははっ!」

「……みんなバカってことで」



みんなみんな、笑ってる。


あたしたちの世界で、笑ってる。笑ってたい。

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