7月7日、逢いたくて


ふいに、窓を叩く雨の音が強くなって
あたしは外に続く窓ガラスに目を向ける。

すると、おきちゃんは頬杖をつき
大袈裟に溜め息を吐いて呟いた。



「今年も、会えないなんて…かわいそう。」

心底残念そうに言う彼女に、思わず笑みが零れる。



だから、あたしは教えてあげた。


「雨が降っても、織姫と彦星は会えるんだって。」

「え?」

「かささぎの群れが、翼を広げて織姫を彦星の元に橋渡ししてくれるらしいよ。」

「ええっ!?本当ですかぁ!?」


本当、と続けて言うと
おきちゃんは唇を尖らせ

「なぁんだ。心配して損したぁ。」

なんて言うから
あたしは声をあげて笑ってしまった。



ちょっと前まで
あたしもおきちゃんと同じように考えてた。

雨が降ったら
次の年まで二人は会えなくて。


でも、それは違んだよね?



「ていうか、それ誰から聞いたんですか?」

「ん?」

「雨でも、織姫と彦星が会えるっていう話。」

「あぁ、」


くす、っと笑って言う。




「―――彼方だよ。」






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