7月7日、逢いたくて


あたしがここに来てから
投影機の全てを彼方が管理していた。


点検はあたしやおきちゃんも手伝うけれど、修理は全部彼方がやっていたし

館長が投影機をいじるなんて、一度もなかった。



今の今まで、一度だって。




問い詰めるあたしに
しばらくして館長は観念したのか、一度大きく溜め息を落とすと

「とりあえず落ち着いて下さい。」

と、あたしを客席に誘導する。



でも、あたしは一刻も早く事実が知りたかった。


なのに、体が石になったみたい。

後に続く言葉も出て来なかった。



聞きたいのに、聞きたくない。


聞いたら、あたしはどうするんだろう。




あたしは、どうしたいの?







頭の中はぐちゃぐちゃで。

それでも、思い出すのは彼方の優しい言葉。



『過去と…決別して来いよ、織葉。』



…彼方。



どうして――――。







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