7月7日、逢いたくて


…嫌な予感がした。

何となく、そんな感じがした。


聞いたらダメだ、と頭の中で警告音が鳴り響く。



でも、聞かずにはいられなかった。




あたしの質問に

「最近、投影機の調子が悪いみたいでね。」

だから点検だよ、と言った館長は決してあたしと目を合わせようとはしなかった。



「…本当…ですか?」

声が、震える。


あたしは祈るように、館長にもう一度聞き返す。




「…本当に、それだけ…ですか?」

「………、」

「館長…答えて下さい…っ!」


ガチャン、と音を立て
ホウキがあたしの手から離れた。

いや、正しくはあたしが放したと言った方が正しい。



あたしはそのまま
黙り込んだ館長に詰め寄ると、藁にもすがる思いで聞いた。




「彼方は…、彼方は今どこに居るんですか!?」




あたしの願いは、届かない。



きっと、届かなかったんだ。






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